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SSの幼生


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真の戦闘者
「いよいよ戦争が始まったな・・・。」
 私と友人は、食堂に置いてあるテレビを見ていた。。
 ニュースでは、宣戦布告したA国の軍隊がついに動き出したと言っている。
「A国とB国の戦争だったよな。たしか、国境付近の地下資源の争奪だっけ?」
「あぁ、資源の争奪だ。だが、A国とB国の戦争じゃないぜ。」
 私の言葉に、友人は訂正を求めている。
「ん? どういうことだ? A国の石油会社と、B国の石油会社の戦いだっけ?」
 友人は首を横に振った。
「まぁ、それもあるのだが、奴らは戦っていないから、厳密に言うと違う。」
「じゃぁ、何だよ。他に戦っている人間なんていないだろう?」
 友人は口の中のチャーハンを水で流し込んでから口を開いた。
「考えてみろよ。A国の戦闘機を作っているのは、D航空社だし、B国の戦闘機を作っているのは大手自動車メーカーのE社だ。そんでもって、A国の銃やミサイルを作っているは、F社がほぼ独占しているし、B国のそれもほぼG社が独占している。つまりだ、D航空社とF社のグループと、E社とG社のグループの戦いだよ。」
 友人は勝ち誇ったような顔で言う。しかし、私はすこし納得できない。
「だが、それらを操っているのは人間だろう? 銃だって戦闘機だって、レーダーだって人が使わなければ意味がない。」
「甘いなぁ・・・。軍育水準なんて今の世の中、遺伝子に手を出さない限りほぼ頭打ちの状況だ。そうなると、ものをいうのは兵器の能力だろう? どんな良い道具でもバカが使うと意味がないといえばそれまでかもしれないが、戦場に出てるのは教育を受けた兵士だけだから、そんなこと考える必要はないしな。」
 私はラーメンを一口食べてから、テレビを見た。
 多くの戦車が、対岸へ向けて砲弾を発射している。そのうち、空から爆弾が降ってきて数台の戦車が爆発し、カメラは真っ暗になった。
 確かに、戦争には人間はおらず、どこかの会社の製品だけが映っていた。


 まぁ、一種の戦争批判ですね。皆さんは、銃の販売メーカーにはクレームが来ても、兵器の製造メーカーにはそれが来ないのに疑問を感じたことはありませんか?



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