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SSの幼生


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MMO

現状経済新聞 2011年3月15日 掲載

 大勢のユーザーがインターネットに接続し、互いに協力しあいゲームを進行していくというネットワークゲーム。このゲームの人気は誕生後とどまることを知 らず、現在販売されるゲームソフトの7割がネットワークゲームという状況である。そしてネットワークゲーム業界に2010年度に革命の嵐が吹いたのも記憶 に新しいだろう。その革命というのは、頭には耳が隠れる形の野球帽のようなヘルメット、手には薄い手袋、そしてプロジェクターの原理を応用したサングラス を装着することにより、全身でゲームの世界へと入り込めるMMO(More Movetive Operation の略)というシステムである。これにより、ゲームの世界にあるものに触れたり、風や手にする道具の重さを感じたりと異世界をより深く感じることができるよ うになった。MMOは比較的安価であり、このシステムに対応したゲームが続々と開発されたために爆発的に広まった。
 しかし、このたびMMOの使用が突然の中止となった。しかも人体への影響や、リコール対象などのような理由でないためにゲーム業界での波紋が広まってい る。MMOを開発・販売しているBright Communication社は理由を一切発表しておらず今後の対応が非常に注目されている。
 ある政府筋の話によると、MMOの販売中止はある政治家の圧力らしい。その政治家の息子がネットワークゲームでの地位が非常に低く、どんなに努力しても いっこうに上がらない腹いせに、国会議員の父親にMMOの販売中止を頼んだとか。この話を聞いた心理学者は、「MMOは現実と非現実(ネットワークゲーム の世界)の距離を短くする作用があるのかもしれない。そのために、ゲームにのめり込むに連れて現実と非現実の区別がつかなくなり、このような行動(販売中 止の依頼)に出たのでは」と言っている。


 新聞の記事型のSSに挑戦しました。新聞をあまり読んでいないので、新聞らしさ がでているかどうか心配です。



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