目次 > SSの幼生 の目次 >
SSの幼生


| << 前の作品へ | SSの幼生 の目次へ | 次の作品へ >> |




長い間 ずっと 雨を見ていた
いつから降っていたのだろう?
いつから見ていたのだろう?
 
そんな疑問がわいた時 ふっと
雨の恐怖を思った
雨は遙か空から無常にも落とされている
それは望まざる空との別れであった
 
雲の悲しみを思った
雲は嘆き悲しみそのからだから涙を流していた
その悲しみは雨の恐怖と似ていた
 
落ちた雨は万物をぬらし その身を冷たくする
雲は日を遮り 万物の心すら曇らせる
雨は全てのものを等しく憂いに導く
まるで自らの悲しみを 他のものに知らしめるかのように
 
雨上がり
雲が消え その間から日が差してくる
その時に人々が感じるあの不快な熱気は
再び空へ戻れることを喜ぶ
雨粒達の 昇華に狂喜した姿なのかもしれない


 滅多に作らない詩風味の文章です。
 どうでしょうか? ま、「Pony Canion Style まるなび?」でボツになったものなのですけどね。



| << 前の作品へ | SSの幼生 の目次へ | 次の作品へ >> |


SSの幼生

| 目次へ戻る | ページの上部へ |