PHASE:25 光・・・ シナリオ:関島眞頼 コンテ:佐山聖子 演出:佐山聖子 作画監督:竹田逸子 地球の人々を救うためにネオメソポタミア号に乗り込んだライムたち。ヘスの元に向かった彼女たちは意外な光景を目にする。 作り物の家族と家のある部屋でたたずむヘス。彼はおもむろにライムたちの方を向き一つの質問をする。 「お前たちは何だ?」 ヘスの問いかけに対するライムたちの答えとは、そしてライムたちが”本当に欲しかったもの”とは一体何か? 最終的にライムたちは”戻ってくる”のですが、あの終わり方はいいのでしょうか? あくまでライムのセリフですが「人間の心が欲しかった」のではなく、「自分を信じる心が欲しかった」と言っています。そうすると、果たしてマリオネットのライムたちは、(仮にライムたちの人格と同じであっても)マスタークローンが将来持つであろう人格を消して、そこにライムたちの人格をコピーすることによって、人間になれたとしても本当に喜んだのでしょうか? 個人的には消されたマスタークローンの人格に負い目を感じ、素直に喜べないと思います。 また、細かいところで言えば、ネオメソポタミア号の動きを監視していたレーダーの電磁波が届かなかったワームホールを、ライムたちの人格の情報(光?)が通り抜けられたことも謎ですし、真実を知ったヘスが対消滅時限核弾頭のタイマーを止めなかったのも謎ですし、ネオメソポタミア号の操作ができたチェリー(*1)が核弾頭を止めようとしなかったのも謎です。さらに、もともとライムたちを人間にするつもりがなかったヘスが、マスタークローンを盗む必要があったのでしょうか? (ライムに人間になる原理を説明するシーンがあったのなら別ですけれど) アニメの後半では、小樽(+花形)と子供のライムとの暮らしが描かれていますが、小樽は完全に父親になっていますね。それと、以外にオールバックにしての袴姿は貫禄が出てカッコイイです。 どうもあの終わり方が好きになれないので、アレコレと書いてしまいましたが、「お前たちは誰だ?」のヘスの問いかけに「僕は、僕たちは・・・」とライムが答えたあとに、OPの「セイバーマリオネットJtoX」の文字が出る演出や、自分自身として振る舞うのではなく”他人の立場に立ち”振る舞うライムたちの姿や、ネオメソポタミア号爆発前にライムがぽつりとつぶやく「僕たちは人間になれたのかな」は本当に感動してしまいます。 *1:「とにかく地球から離さないと」、とかいうチェリーのセリフがあります。このことから、チェリーはネオメソポタミア号の操作ができることと、対消滅時限核弾頭の存在を知っていることが証明できるはずです オンエア:1999年03月30日 |