PHASE:22 叫び シナリオ:金巻兼一 コンテ:西本由紀夫 演出:西本由紀夫 作画監督:浜森理宏 西安の政府直属の医師に看病される小樽。三人の記憶が戻った後から、彼は食事も取らずずっと考えていた。三人のうち誰を選ぶかを。 しかし、食事を取らなかったことが原因で彼はまた高熱でうなされてしまう。必死に看病するライムたちの努力で何とか峠は越えたのだが、ライムは自分の無力さを感じていた。 それから数日後、不思議な夢を見たライムたちは小樽の元へ報告に行ったのだが・・・。 ライムたちに記憶が戻り、小樽の濡れ衣も晴れて一安心かと思ったら、逆にどんどん深いところへ進んでいくのがスゴイですね。 裁判の席で楊明は「クローンの限界」とその「打開策」を語っていますが、この発想は小説版のファウストに通じるものがありますね(*1)。それと、彼自身なぜヘスが対消滅時限核弾頭を持っているかは分からないみたいですね。 また、ライムがルクスに「人間になりたくないか?」という質問をしますが、ルクスは「それは人間の悩みだから、私はそう思わない」と答えます。確かに「自分ではない誰かになりたい」という欲求は、人間でないと沸いてこないものなのでしょうね。このシーンを見たとき、目から鱗が落ちたような気になりました。 最後に小樽は誰も選ばずに(強いて言うなら花形?)ジャポネスに戻りますね。「彼女たちの周りにいる人の気持ちを無視して連れ戻すことができない」と小樽は言いますが、そんな理由を抜きにして小樽には「4人で一つ」という気持ちの方が強く選べなかったような気もします。 *1:小説版のファウストは宇宙船を使い地球に侵攻し、女性を手に入れようとしていた オンエア:1999年03月02日 |